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α7R2+SEL2870

 

雨の日に写真をとりにいく時、いつもは防塵防滴に定評のある初代E-M5+12-50の組み合わせを持ち出している。こいつのシーリングは本物で、レンズをつけたままシャワーで洗っても壊れなかった(本当にやりました。中古で買ったときねちょねちょしてたので)。

 

それで特段不満もなかったのだけど、じつは最近、家の中で寝ていたFE 28-70mm F3.5-5.6 OSSも『防塵防滴に配慮した設計』ということを知ったので、こいつを試している。このレンズはα7シリーズのキットレンズで、300gちょいの小型軽量でありながらOSSを標準装備し、防塵防滴(に配慮した)設計という、なかなか気合いの入った一品である。

 

でもネットの評判はイマイチだ。『防塵防滴(に配慮した)設計』という歯にものが挟まった言い方からシーリングに対する信用が薄く、またチャートでの四隅の解像度の悪さから、ダメレンズだのゴミレンズだの、α7Rにつけるにはもったいないとか罵詈雑言を書かれている。僕もそれをうのみにしてあんまり持ち出すことはなかったのだが、せっかく防塵防滴(に配慮した)設計なのだから、雨の中、壊れてもいいやの気持ちでα7R2につけて持ち出してみた。

 

α7R2+SEL2870

 

最初に気付いたのは色の安定性で、やたらシアンに寄りがちなSONY ZEISSと違って結構ナチュラルに映る。色が安定しているということは、現像時の色のコントロールもとても楽だ。四隅の解像度が低い低いといろんなブログで言われてるので、どうだろうと思っていたのだけど、基本的に絞りを開いて撮っていたのでそもそも被写界深度外になることが多かった。

 

別にシャープネスのピークがF8だからといってF8で撮らなければいけないわけではない。我々はチャートを撮るためにカメラを持ち出すのではないので。

 

 

α7R2+SEL2870

 

α7R2+SEL2870

 

センサーパワーもあるがシャドーの粘りはかなり良い。

 

 

α7R2+SEL2870

 

α7R2+SEL2870

 

水の表現もよくできていると思う。変にハロっぽくなることもないし、雨の中でよく持ちこたえている。四隅は相変わらず被写界深度に入れないようにしているのであんまり気にならない。

 

 

α7R2+SEL2870

 

α7R2+SEL2870

 

前ボケ、後ろボケともに穏やか。

 

 

α7R2+SEL2870

 

こういう開けた感じだと周辺像が乱れ気味になるのはちょっと目に付くかな。まあ、いざとなればトリミングしてしまえばいいし、全体を見るぶんにはとても安定した描写だと思う。

 

ネットの評判をうのみにして使わずにいたけど、とても良いレンズである。何事も使ってみなければわからない。あと雨は別に大丈夫だった。結構降ってたんだけど。

 

 

α7R2+SEL2870(スイングパノラマ)

 

ところで、α7R2にはスイングパノラマモードという機能がモードダイヤルに割り当てられている。カメラを横とか縦に振りながら連写して合成する機能なのだが、今まで1回も使ったことが無かったので試してみた。これ、結構よくできている。本来のパノラマ的使い方はもちろん、狭いところで焦点距離が長すぎる場合、カメラを縦にしてこれを使うことで疑似的に広角に出来る。

 

α7R2+SEL2870(スイングパノラマ)

 

望遠端でスイングパノラマすることで、明るい広角レンズのように使うこともできる(なんか画像をアップロードしたら横倒しになってしまった。カメラを横にしたからですね)。

 

α7+SAMYANG 45mm F1.8(スイングパノラマ)

 

描写も破たんしてないし、モードダイヤルの一等地に割り当てただけはあってよくできた機能だ。でもα7第三世代からは削除されてしまった。誰も使ってないからだろう。まあ新品40万円のカメラを買うような層がこんな機能で遊ぶとは到底思えないが。中古で難有り品を買う人からすると非常に便利な機能ではある。

 

α7S+super wide-heliar 15mm機淵好ぅ鵐哀僖離薀沺

 

15mmでパノラマやると迫力があるなあ。


 

ボディキャップレンズというものがある。マウント面に保護用につけるキャップの中央にレンズをはめ込んだ「撮れるボディキャップ」というやつで、オリンパスがマクロフォーサーズマウントで2種類(換算30mmと19mm)、富士フイルムもXマウントでフィルター回せるやつが1つ、ペンタックスもシールドレンズだかをQで出していた。メーカー内では「交換レンズ」というよりも、いわゆるトイレンズ、ロットNo等もないアクセサリとして売られている。そういえば、一時期キャンペーンのおまけで本体を買うと、安い方の「BCL-1580」がタダでついてくるパターンがよくあった。

 

 ●BCL-1580

 

自分の話をさせてもらうと、はじめて買ったレンズ交換式カメラがE-PL6のダブルズームレンズキットだった。で、そのE-PL6を買った時にカメラ屋のお姉さんがおまけでBCL-1580をつけてくれて、こりゃありがたいと思ってもらったはいいものの、そのまんま使い道もなく埃をかぶっていた。たぶんPENを買った人の大多数はそうやってキタムラのお姉さんから手に入れ、一回使うか使わないかして防湿庫行きになっているんじゃなかろうか。だって初心者には使い方意味わからんないから。AFもないし絞りリングもないし電子接点もないし…。

 

E-PM2+BCL-1580

 

まーとにかくコンパクトではある。BCL-1580は換算30mm、F8固定の超パンケーキ(というか、もはやクッキー並みの厚みだ)厚さ8mm、20グラムちょいしかない。でもあえてこれを使うことがあるか? もう数ミリ厚くてよければ、電子接点があり絞りがありAFが効くまともなパンケーキレンズがマイクロフォーサーズにはすでにある。そんなわけで、結局使いどころがないのだ。でも今回はあえてそれを掘り出して使ってみた。

 

上のがその作例だが、見ての通り割と、いやかなりまともな写りをする。ペンタックスのボディキャップレンズは冗談みたいな画質のトイレンズなのだが、オリンパスのほうは相当しゃんとした発色で、逆光耐性も強く、シャープネスも充分ある。さすが胃カメラとか作ってる光学メーカーだ。別にこんなもん適当に作ったって誰も文句いわないはずなのに滅茶苦茶しっかり作られてる。設計した人はきっと冗談が通じない堅物なのだろう(褒めてます)。


 

E-PM2+BCL-1580

 

小型化の反動として光学的な弱点はもちろんあり、四隅の解像度がかなり悪い。というか、像面湾曲のせいで無限遠にしても四隅のピントが合わない。四隅をジャスピンにするには無限遠マークよりちょっと先に動かす必要があるが、そうするとこんどは中央のピントが合わず、絞り機構がないので被写界深度を深くすることもできないので、まあどうしようもない。ま仮に隅にピントがあったところでちゃんと解像するわけではないのだが。

 

E-PM2+BCL-1580(2倍デジタルテレコン)

 

ならばいっそデジタルテレコンを使って四隅を捨ててしまったらどうだろう。E-PM2などに搭載されているオリンパスのデジタルテレコンは、中央を拡大しつつ画素補完を行ってくれるので、見かけ上の画面全体の画質一貫性は高まる。さらに中央だけ使うので、素で使うより歪曲も目立たなくなる。そんなわけで、光量が充分あるなら、換算60mmF16として使うこのスタイルも推奨したい。

 

E-PM2+BCL-1580(2倍デジタルテレコン)

 

 

E-PM2+BCL-1580

 

 

E-PM2+BCL-1580

 

このレンズは基本、無限遠指定のパンフォーカスで使うことを想定されているのだが(そういうスナップレンズだと思う)、それでも15mmF8ではまだまだ被写界深度が狭いので、結局近いものを撮る場合はピント合わせが必要になってくる。でもこのレンズのピントレバーではそれが異様に難しい。説明が難しいのだが、なんか全体的にアクションゲーム感がある。ともかくBCL-1980をまともに使うなら、ファインダーは必須だと思う。でもE-M1とかにこのレンズをつけるのも主客逆転感が…。PENにこのレンズと外付けファインダーを取り付けて使うのがマッチすると思う。

 

E-PM2+BCL-1580

 

E-PM2+BCL-1580

 

E-PM2+BCL-1580

 

とにかく色が素晴らしい。レンズの小ささからは信じられないような描写力だ。構成3枚で枚数少ないのがいいのかな。

 

おまけでフルサイズのα7S+Loxia50/2(を60mm換算にトリミングした画像)との比較写真もどうぞ。

 

 

 

どっちがどっちかわかるかな。まあ、ノイズに注目すればわかるか。さすがにね。

 

 

 ●BCL-0980

 

こっちは換算18mmの魚眼レンズだ。冒頭写真の右側の黒いヤツで、自分はEマウントAPS-C用にイメージサークルを広げる改造をしてしまったのであんな感じになっている。写りは定評があり安い魚眼レンズとして評判がいい。被写界深度もBCL-1580よりずっと深いのでほぼピントあわせで困ることはない。確かに良いのだけど、いかんせん何を撮ってもいたずらにオモシロになってしまうので難しい。一応、歪曲補正をガチガチにかければ普通の超広角レンズとしても使えるらしい。

 

E-PM2+BCL-0980

 

E-PM2+BCL-0980

 

E-PM2+BCL-0980

 

E-PM2+BCL-0980

 

E-PM2+BCL-0980

 

逆光耐性はまあ、あんまりない。うーん一回バラしちゃったせいかな。でもこれくらいなら味としてあってもいいかも。

 

ところで、この2枚のボディキャップレンズを使っていると、オリンパス技術者の魂の叫びみたいなものが聞こえてくる気がする。いわく…

 

『どうだ、この画質と小型化の両立は!すごいだろう、これだけ小型化してもマイクロフォーサーズなら必要十分な画質を保てるんだ!レンズ交換式デジタルカメラシステムの最適解が、フルサイズでもAPS-Cでもなく、≪マイクロフォーサーズ≫なのが、これでキミにもわかっただろう!』…っていう。

 

まさにこの2枚のボディキャップレンズは、マイクロフォーサーズの理論上の正しさを証明するアイテムなのだ。

 

 

E-PM2+BCL-1580

 

はっきりいって、実際そうだ。僕の用途では、この2枚のクッキーみたいなレンズとE-PM2ですべてが充分事足りる。それは頭ではわかっている。

 

でも、マイクロフォーサーズの『問題』はたぶんそこにある。我々が「写真機」に求める画質の99%は、いやひょっとしたら100%が、きっとマイクロフォーサーズセンサーとレンズでカバーできる。そして、その必要画質におけるレンズやボディとのサイズバランスは、きっとマイクロフォーサーズがベストなのだ。それは理論から導き出された真実なんだろう。

 

だけど、自分で「これこれこの性能が、私が求める必要画質である」と自覚できる人が、いったいどれだけいるのだろう? 頭ではわかっていても、確信できるだろうか? プロカメラマンの人は、仕事ならこのレベル、という画質に自覚的な人がいるのだろうが、ハイアマチュアとかカメラ初心者の人には、ほとんどそれはわからないと思う。僕もそうなのだけど、ただ単に「撮りたいシーンで後悔したくない」という理由で、より大きく、重い機材を欲してしまうのだ。それはシステムとの完成度とは全然関係なく、失敗写真への恐怖。いってみれば、安心のため。心が弱いだけなのだ。

 

ボディキャップレンズで充分。たぶんそうなのだ。でも、それだけで旅には出られない。もっといい機材を持って行きたい欲求に抗えない。マイクロフォーサーズはその心の揺らぎの真上に立っている。足るを知るというのは難しい。自分に必要な「画質」を、多くのユーザーがはっきり自覚できた時にこそ、マイクロフォーサーズは本当の意味で完成するのだろう。そしてその時まで、我々は安心できる機材(つまりフルサイズFOVEON)を求めて、悩み、のたうちまわるのである。


SEL1018(APS-C用)をフルサイズ用単焦点として使う

上記の過去記事を書いた後にとくに何の補足もなく放置していたので、一応作例を(このレンズも経済的事情ですでに手放しているのだけど)。

 

このレンズ、過去記事ではフルサイズで使ってもそれほど歪曲がないと書いたが、それは無限遠に近い風景写真の場合という但し書きつきであり、ピント面が近くなると糸巻型の歪曲が元気よく噴出する。

 

まあ、がんばって補正をかけるしかない。

 

そもそもAPS-Cでも15mmとして使えるのに、わざわざフルサイズで歪曲や周辺の性能劣化を甘んじてまで15mmとしてこのレンズを使う意味があるのだろうか。

 

個人的に感じていた利点としては、フルサイズのダイナミックレンジや高感度耐性をそのまま使えるというのが一点、そしてフルサイズで使える軽いレンズの中ではそれなりに発色が良いというのが一点。まあAPS-Cで使うよりフルサイズで使う方が良いかというのは正直、オカルト的なところはあるのだが。とりあえず以下作例を見ていただければ。すべてα7R兇箸料箸濆腓錣察

 

 

 

 

 

SWHと比べて周辺像は乱れているが、とにかく雰囲気を感じる描写だ。なんだかんだこのレンズとフルサイズカメラの組み合わせで撮った写真が超広角では一番気に入っているので、やはり良いレンズだったのだろう(売っちゃったけど。貧乏はつらい)。


 

最近、訳あって(というか、単に金銭的な理由のため)カメラ機材の大部分を売却した。漫画の作画資料を撮影できるくらいのシステムだけは残したのだが、その残したうちの中にSuper wide-heliar 15mm f4.5がある。残した理由は見積価格が二束三文だったのと室内撮影用に使えそうだったから。バカでかい超広角レンズを古民家とかに持って行くと結構ヒかれるのでこの小型感はちょうどいい。見た目もカッコいいし。

 

SWHはフルサイズ対応の小型超広角レンズだ。ライカL用の儀拭M(VM)用の況拭▲愁法Eに最適化された祁燭あり、これは一番安い初期型だ。小さい、安い、よく写ると素晴らしいレンズなのだが、フィルム時代のレンズなのでいかんせんテレセン性を考慮しておらず、初期型をミラーレスにつけると周辺減光や周辺のカラーキャスト(マゼンタの色かぶり)が発生する。自分はどうせ作画資料用=モノクロでしか使わないので気にしていなかったのだが、ふとソニーαにはレンズ補正アプリがあることを思い出し、テストしてみることにした。

 

レンズ補正設定は

Peripheral Shading +16/-3/+5

ディストーションとかは特に設定なし。

シャドーとハイライトを自動的に操作してくれるダイナミックレンジオプティマイザー(DRO)との併用例も見せるので参考まで。

 

α7R2+Super wide-heliar 15mm f4.5   F11 レンズ補正あり+DRO.Lv5

 

α7R2+Super wide-heliar 15mm f4.5 F11 レンズ補正なし+DRO.Lv5

 

α7R2+Super wide-heliar 15mm f4.5 F11 レンズ補正あり+DRO.OFF

 

α7R2+Super wide-heliar 15mm f4.5 F11 レンズ補正なし+DRO.OFF

 

すべてjpeg。

レンズ補正のおかげで周辺減光はかなりマシになっている。色も補正かけているはずなのだがそんなに変わってない。なんとなく、若干マゼンタ感が減って安定しているような気がする。素の状態でも絵画的で写真としては悪くないが、高いコントラストのせいもあってどうしてもドラマチックになりすぎてしまうので、レンズ補正と併用したほうが色々と使いやすいと思う。

 

祁燭SWHを以前使っていたことがある。そちらはレンズ構成枚数を増やしてカラーキャストや色収差などを徹底的に抑え込んだ(代わりに若干重くなった)タイプでEマウント用電子接点つきだった。体感比較だが、初期型と祁燭任論議床莠遡未蚤膾垢呂覆ぁ初期型でもシャープネスは高いし、ディストーションはないし、色収差は結局現像1発で消せるし。初期型のカラーキャストは確かに感じるが、どうせ祁燭任皀轡礇鼻嫉ち上げると周辺色被り起こすので。

 

 

 

エグいゴーストが出ている(右下…) 逆光耐性はさすがに祁燭犯罎戮襪泙任發覆ぁD狭角なので難しいけど、野外で使う時は順光で。

 

 

 

ディストーションはほぼ無し。

 

 

 

実用充分。オールドレンズとはいえ1999年発売なのでまだまだ現役だ。ただ像面湾曲によるピント面のゆがみがあるので、ピント合わせには注意したい。画面の中でいちばん近いものに(中央と端に同じくらいの距離のものがあれば端を優先して)ピントを合わせて、キリキリと絞り込めば大抵被写界深度内には入る。


 

前回(ヨンヌオ50mm)、前々回(SIGMA30mmF1.4DN|C)と「なんとかLoxiaを買わずに済ませよう」と試行錯誤していたのだが結局Loxia 2/50を買ってしまった。典型的なレンズ沼の沈み方をしている。今回はレビューというより感想記事で、結論から言うと「さっさと買えばよかった」。誇張なく今まで使った標準レンズのなかでベストだと思う。ていうか、いままでどんなレンズ使ってたっけ? 換算45〜55mmだと

 

SIGMA 30mm F1.4 Art

SIGMA 30mm F1.4 DC DN | C

SIGMA 50mm F1.4 Art

SEL50F18F

SEL55F18Z

Carl Zeiss Ultron 50mm f1.8

SMC TAKUMAR 55mmF1.8

MC ROKKOR-PF 50mm F1.7

YONGNUO YN50mm F1.8

 

標準レンズフェチなのか単に安いから買いあさってしまったのか、結果的に色々と触ってる感じだ。ズームレンズも含めていいなら18-35mmF1.8や17-50mm F2.8 EX DC OS HSMも単焦点並の性能だったし、コンパクトカメラも含めてならDP2の30mmもあるけど、Loxia 2/50はその中のどのレンズよりも良い。SEL50F14Z? うーん使ったことないからわからん。

 

 

 

 

ここに挙げてるのはどれも大した作例ではなくて、日陰に差し込む直射日光というただそれだけの絵なんだけど、これを普通に撮るとどれだけ破綻しやすいか、写真を少しでもやったことがある人ならわかってもらえると思う。シャドーは色吹っ飛ぶし、白トビ・黒潰れのオンパレード、色収差は山ほど出てくるわけでまともな絵になったためしがない。Loxia 2/50とα7Sの組み合わせはこれに耐えてくれる。しかもこれ、jpeg!

 

 

 

 

 

 

 

いちばん感動したのがこのカットで、難しいペンキ塗りの鳥居の赤色がjpegで完璧に再現されていた。ソニー機はとにかく色がむちゃくちゃになりやすくて、油断するとすぐシアンに転ぶし、色収差はほったらかしだし、現像する時いつも困るのだが(メーカーもたぶん現像前提で作っているのだろうが)、Loxiaはまったくいじる必要がない。シャープネスも四隅まで充分で、絞り開放から絞り込んでも被写界深度以外の描写がまったく変化しない。これには本当に驚いた。描写は典型的なプラナーのそれで、非球面すら使っていないダブルガウスらしいけど、それにしては写りが良すぎる。何か補正レンズ挟んでるんじゃないの? 信じられない。これが現代の加工技術か。

 

α7R2との組み合わせも試してみたが、シャープネスは42mpでも充分なくらいある。ただ色収差が強調されやすいみたいで若干色味が転ぶような感じがする。12mpのα7Sか24mpのα7シリーズがオススメ。55mmZAも素晴らしかったが、Loxia 2/50はさらに素晴らしい。完璧に最も近いレンズだ。



 

マウントアダプター経由で例の5000円の中華レンズYONGNUO 50mm f1.8を使う。今回はすべてF2固定で。

 

余談だけど電子接点がないマウントアダプターでも、電子絞りレンズの絞り値を変えて使う手段がある。そのマウントレンズ(今回はEFマウント)が動くカメラが必要だが、一度レンズをはめて絞り値を設定→シャッタースピードを1秒とかにして、シャッターを切り、絞りが変わった瞬間外してしまえばその絞り値で固定される。壊れるかもしれないのでオススメはしないけど今回はそれでやっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コピー元になったEF50mmF1.8の影響なのか、色収差がやや少ない気がするし、全体的にフォーカルレデューサーを経由してα6000で使った時より描写が安定している(当たり前だが)。比較対象としてはSEL50F18Fがあるが、あちらは絞り開放でのフリンジ抑制を捨て、絞った時の解像度を重視しているようだ(SIGMA 30mmF1.4Art や30mmF1.4DCDNも同じ思想な気がする)。ヨンヌオはそれらより解像度は劣るものの、使いやすい。SEL50F18Fは開放で草むら撮ると色収差で全部ピンクになっちゃうからね。

 

これを価格が14倍のLoxia 50mm F2と買い換えるかどうかは相当悩みどころだ。Loxiaのほうが良いんだろうけど、正直α7Sにはオーバースペックな気もするし、何か不満があるかといえば特にない。ピントリングのラバーがすぐ取れるところくらい…。


 

APS-C用レンズ「SIGMA 30mmF1.4 DC DN | C」Eマウント版はフルサイズ換算45mmの標準大口径レンズだ。画質には結構定評があり、コスパ神レンズとかArtレンズ並とか言われている。ちょっと事情があってこれとSIGMA 50mm F1.4 Artを比較することにした。絞り値は30mmがF1.4開放、Artの方はF2にしてある。APS-Cのボディはα6000、フルサイズのほうはα7Sだ。

 

なんの比較だよという話だが、先に弁解しておくと厳密なレンズ性能比較がしたいというわけではない。大きさも重さも値段も数倍違う2本で比べてどっちが上だというのも変な話だし(1段絞ってる時点でArtに有利すぎる)ボディの性能がそもそも段違いなので。ただ、やりたい事はなんとなくわかってもらえると思う。要するにAPS-Cでフルサイズ50mmF2の浮遊感を代替できないかという試みだ。

 

本当のことをいうと、標準大口径を常備するにあたって軽いLoxia50mm+α7Sにするか、SIGMA30mmF1.4DCDN+α6000にするかで悩んでいるということである。これで絞り開放の描写が別に大差なければAPS-Cを常用しようと思って実験した。実用かどうかをテストするのでもちろん色収差補正はON、ディストーション補正もONにしてある。というわけで参考程度に見てください。

 

 

SIGMA 30mmF1.4 DN | C + α6000 (F1.4)

 

SIGMA 50mmF1.4 | Art + α7S (F2)

 

SIGMA 30mmF1.4 DN | C + α6000 (F1.4)

 

SIGMA 50mmF1.4 | Art + α7S (F2)

 

SIGMA 30mmF1.4 DN | C + α6000 (F1.4)

 

SIGMA 50mmF1.4 | Art + α7S (F2)

 

うーんボケ量が結構違うな。

 

SIGMA 30mmF1.4 DN | C + α6000 (F1.4)

 

SIGMA 50mmF1.4 | Art + α7S (F2)

 

色温度は揃えてあるんだけど。

 

SIGMA 30mmF1.4 DN | C + α6000 (F1.4)

 

SIGMA 50mmF1.4 | Art + α7S (F2)

 

SIGMA 30mmF1.4 DN | C + α6000 (F1.4)

 

SIGMA 50mmF1.4 | Art + α7S (F2)

 

うーん大差ないといえば大差ないし、ぜんぜん違うといえばぜんぜん違うし、実用かといえば実用なようなそうでもないような。とりあえず以前使っていたレフ機用の30mm F1.4 Artより、30mm F1.4 DC DN | C のほうが遥かに使いやすく進歩している。

 

全体を通して感じたのは、30mmF1.4の開放は色収差とハロの影響で、実際の解像度よりも相当ユルく見えるということだ。

 

 

これは色収差補正をOFFにした等倍トリミングだが、30mmのほうはハロが相当出ている。フリンジも結構ちゃんと出ていてこれを完全に消すにはF11まで絞らなければならない。中距離で浮遊感を持たせるにはやはりフルサイズ使うしかないのか。でも画面全体で画質が一貫していて近距離で撮るには良いレンズではある。AFも爆速だしDMF効くし。あとめちゃくちゃ軽い。α6000との組み合わせで599gだもんなあ。


 

YONGNUO AF 50mm f1.8というレンズがある。ちょっと前にいろいろと話題になった激安レンズで、ググってもらえばわかるがEF50mmF1.8の中国製コピー品だ。元レンズでさえぶっちぎりで安い撒き餌レンズなのだが、YONGNUO50mmは人件費の安い中国メーカーがさらにコストダウンまで考慮して作られたことで輪をかけて安く、五千円を切る値段で買える。

 

でも所詮粗悪なコピー品でしょ? と言うなかれ、レンズ構成は古典的なダブルガウスでいわば枯れた技術の集大成のようなものだ。そしてプラマウントのおかげで非常に軽い。レンズのみで117gだ(フルサイズ向けのレンズ!)そもそも日本の誇るニッコールだって、最初はライツやツァイスのコピーだったのだから、他人のことは悪くいえないのである。ただYONGNUO50mmはレンズ構成だけでなく、見た目がキヤノン50mmと全く同じというのがすごい。間違えて買わせる気なのかと思うくらいそっくりで、ロゴ以外相違点がない。2メートル離れたら肉眼では判別不能だろう。さらに面白いのが同じレンズ構成でニコンマウント版も出ていて、そいつはニコン50mmF1.8にそっくりなのだ。わざわざ別のデザインにする必要ある? ひょっとしてこれはパクリじゃなくてリスペクトなのだろうか。

 

 

YONGNUO AF 50mm f1.8+Viltrox EF-E+α6000 

 

今回はヨンヌオ50mmをスピードブースターを介してα6000につけることで、APS-C用35mmF1.3として扱ってみることにした。似たスペックのレンズだとフジXF35mmF1.4やシグマ30mmF1.4だろうか。もっともViltrox EF-Eは電子接点有のアダプターとはいえAF速度は終わっている(というか、AFしても一生合焦しない)つまり実質的にはMFレンズであるので、比較対象は7artisansかNeewerの35mm f1.2かも。αで使うぶんには直接的ライバルはE35mm F1.8 OSSかな。

 

 

YONGNUO AF 50mm f1.8+Viltrox EF-E+α6000 

 

絞り開放。現像でマイクロコントラストをあげてあるが、中心部はかなりしっかりした写りをしている。若干ハロもパープルフリンジも出ているが、RAW現像で取り除けるレベルだ。sdQのキットレンズとして手に入れたシグマ30mmF1.4Artを使っていた時は、開放のフリンジの多さに閉口したが、ヨンヌオはかなりまともだ。使えるか使えないかといったら「積極的に使いたくはないが、使おうと思えば使える」というレベルで、正直シグマの開放より実用的だ。シグマのほうがずっと結像能力は高いけど(特に周辺)、結像していてもフリンジだらけでは結局使えないわけで…。

 

 

YONGNUO AF 50mm f1.8+Viltrox EF-E+α6000 

 

レンズ傾向としては割とハイコントラストでファインダーを覗いていて楽しい。色はナチュラルで現像時にいじりやすい感じだ。フォーカルレデューサーをつけたことによる画質面でのネガは特段、感じられない(前述のとおりAFはできないし、たまにフリーズするけど、電源OFFで直る)。普通にハイスピードレンズになっている。

 

 

YONGNUO AF 50mm f1.8+Viltrox EF-E+α6000 

 

像面湾曲は結構ある。ピント面がズレるので周辺画質が荒れるのだ。とはいえどっちみち開放では周辺画質は終わっているわけで、絞れば像面湾曲も周辺画質そのものも良くなるので(被写界深度に入るので)使い方で回避できる。どうせビネットで落としちゃうし周辺を被写体に使わなきゃいいだけなので別に良いといえば良い。

 

 

YONGNUO AF 50mm f1.8+Viltrox EF-E+α6000 

 

F1.7(マザーレンズでいうとF2.5くらい)程度まで絞り込むと、ハロは消え急激に解像度が高まり、無加工でも完全に実用レベルとなる。周辺画質もかなり改善している。ボケも悪くないと言える部類ではないだろうか。美しいとは言えないかもしれないが、それほど過剰補正気味でもないらしく二線傾向はない。というか、ちゃんとした現代レンズだ。

 

 

YONGNUO AF 50mm f1.8+Viltrox EF-E+α6000 

YONGNUO AF 50mm f1.8+Viltrox EF-E+α6000 

 

そして光量と色さえ豊富にあれば、色鮮やかな素晴らしい描写をする。軽くて、明るくて、よく写る。他になんか言うことある? もちろんXF35mmF1.4が買えるならそっちのほうがいいが、別にヨンヌオだって悪くない。これが五千円で手に入るとは素晴らしい!


 

前回EF-M2スピードブースターのレビューで、開放時の画質の劣化から「スチル向きではない」と一刀両断にしてしまったのだが、懲りずにまたEF-Eのフォーカルレデューサーアダプターを買ってしまった。何度騙されても縮小光学系にはロマンがあるので買ってしまう。ニコンF-Eアダプター、前回のキヤノンEF-マイクロフォーサーズと、今回買ったキヤノンEF-Eでウチに3つもある。こんなに集めて何に使うんだ。

 

レデューサーはあまり一般的な代物ではないので軽く解説すると、こいつはフルサイズ用のイメージサークルがあるレンズの結像面を、より小さなセンサーにあわせて縮小することで、画角を広げつつ明るさを1段上げるアダプターのことである。センサー前にレンズを挟む縮小光学系アダプターと呼ばれていて、メタボーンズや中一光学のスピードブースターが有名だ。話を聞くだけだと夢のアダプターのように思えるが、実際は完成された光学系に余計なものを挟むので画質が劣化してしまう。

 

そんなわけで、今回は前回の反省を生かして、「明るいレンズをより明るく」するのではなく「画角を広げる」ために使用してみた。つまりズームレンズをつけて、絞って使うということだ。

 

α6000+Viltrox EF-E+Tamron 28-300(F11 79mm)

 

絞る前提で運用してみると、EF-M2で出たような露骨なハロは発生せず、かなりしっかりした印象になる。

 

α6000+Viltrox EF-E+Canon 16-35mm F4 L(F11 11mm)

 

マザーレンズが高性能なこともあるが、かなり良い。

 

使っていく上で気づいたことがある。フォーカルレデューサーを経由して撮影すると、マザーレンズによって光学特性ががらっと変化するのだ。開放で著しく性能が劣化するレンズと、それほど変化しないレンズと、逆に向上するレンズがある。たとえば次の2枚は顕著に影響が出ている。

 

α7R2+tamron 28-300(開放、望遠端)

 

α6000+Viltrox EF-E+tamron 28-300(開放、望遠端)

 

同じレンズをフルサイズに直接つけたときが1枚目、フォーカルレデューサーを経由したのが2枚目だが、明らかに開放時の解像度があがっている。tamron 28-300は通常、望遠端の開放では使い物にならないレベルの性能で、性能のピークがF11なのだが、レデューサーを通すと開放から既に実用で、F5でピークに達する。

 

このように望遠端では高性能化する一方、広角端では逆に性能が悪化した。開放でも実用画質だったのがレデューサーを通すと解像度が下がり、ハロも出て、収差も大きくなる。本来F8でピークとなるはずがF11までピークが来ない。いろいろと試してみると以下のようになった。

 

 20mm Art→開放での画質が大幅に悪化、性能のピークはF8

 35mm Art→開放での画質が大幅に悪化、性能のピークはF5.6

 50mm Art→開放・中央は高画質、周辺は悪化、ピークはF2.8

 28-300→広角端は悪化してピークも遅くなり、望遠端では逆に画質が向上、ピークも早くなる

 16-35F4L→開放の性能が大幅に悪化(ピークがF4→F11)

 

まとめると、フォーカルレデューサーは広角レンズとの相性は悪い。逆に望遠レンズは開放から画質が良くなる。また絞って使う前提なら悪影響はごく小さい。

 

 

なかなか良い写りをする。それに、レンズ交換してもセンサー面にゴミがつかないのはありがたい。相方は選ぶが悪い選択肢ではないようだ。前回ぼろくそに言ってごめんね。