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OLYMPUS AIR A01+LUMIX G 14mm/F2.5 ASPH

 

2013年末から2015年ごろにかけて、レンズスタイルカメラという製品がソニー・オリンパスの二社から相次いで発売された。見ての通りモニターを持たず円柱状の「レンズのみ」の製品で、撮影の自由度とコンパクトさが売りの製品だ。モニターがなくてどうやって撮影するのかというと、これはスマートフォンとレンズスタイルカメラでwi-fi通信することで、スマホをモニター代わりにする。

 

ガジェット好きを中心に当時、結構話題になった。ソニーからは

 ILCE-QX1

 DSC-QX100

 DSC-QX30

 DSC-QX10

の4種が先んじて市場に投げ込まれた。そして2018年現在、後継機種は発売されていない。その事実から分かる通り、この手のレンズスタイル・カメラは結論からいうと失敗作、商業的にはよくわからない立ち位置になっている。ハード面、ソフト面でもそれぞれ理由はいろいろあるのだが、苦労してスマホをくっつけて通信を確立してもできあがるのが「撮影ラグが長くてなんか使いにくいカメラ」でしかない、というのが最大の理由だろうか。

 

またコンパクトさが売りなのに、レンズスタイルに固執するあまりセンサーや処理チップ部分を円柱に収めるべく奥行きがでかくなってしまい、「別にそれほどコンパクトじゃない」というジレンマを抱えてしまったのもある。とくに親玉のILCE-QX1はレンズ交換式にも関わらず本体だけで幅74.0mm奥行52.5mmもあり、下手したらNEXのほうがコンパクトなんじゃないかと思わんでもない設計ではある。

 

 

このようなレンズ・スタイルカメラのなかで最も後発で洗練されていたのが表題のOLYMPUS AIR A01である。こいつはマイクロフォーサーズマウントのレンズ交換式のレンズ・スタイルカメラで、ソニー製品に比べコンパクトになっている。

 

また、このカメラはジャンルを『オープンプラットフォームカメラ』と称し、スマホを連結するアダプターの寸法や、ソフトウェアのAPIをすべて公開して自由に作ることができるというのも話題になった。オリンパスは最小限のアプリを提供し、有志が自由に拡張できるという、極めて先進的な思想のもと送り出された。

が、このカメラもはっきりいって珍カメラだ。

 

オープンプラットフォームは先進的というより丸投げに近く、もともとあってしかるべき光学系のアクセサリーは素人にはどうやっても作れないのが問題で、これだけコンパクトなのに単体で撮影できないのが非常にもったいない。せめて折りたたみ式光学ファインダーくらい最初から用意していれば。あるいはホットシューがあるだけでもだいぶ違っただろうに。

 

もちろん、オリンパスエアー単体で撮影できるようにグリップを3Dプリンタで作って装着したり、簡易ファインダーをつけたり、いろいろ使いやすいようにアレンジすることもできる…。それは楽しいと思う…、可能なのだが…しかしそうして出来上がるのは、単にかさばるモニターのない使いづらいカメラなのだ…。なら最初からモニターがついた普通のカメラの方が良い。

 

 

だが、オリンパスAirには何よりも代えがたい美点がある。それは、軽いこと。なんとレンズ(LUMIX G 14mm/F2.5 ASPH)を装着し、撮影可能な状態で(後部のアダプターを外せば)200gを切る。これは本当にすごい。センサーが二回り小さい世界最小を自称するPENTAX Q10の本体のみより軽い。OM時代から連なるオリンパスの小型化への執念、というか、ここまでくると強迫観念であろうか。

 

 

これだけ軽いとgoProマウントに変換して、長い長い自撮り棒の先端につけてもまったく問題なく、遠隔操作で写る。

 

そう、こいつは3メートルの高さから撮影できるのだ。マイクロフォーサーズの画質で。

 

 

3メートルの高さから見下ろす広角の世界は、ちょっとしたドローンのような絵になってしまう。崖だろうが橋の下だろうが、手+自撮り棒の届く範囲であれば撮影にほとんど制限がない。

 

 

 

御柱の全景が入ってしまう。

 

 

 

これでしか撮れない画がある、というのは良いカメラの条件だと思うが、うーん。そう考えるとオリンパスAirは傑作機といってしまっていいような気もする。言い過ぎかな。

 

追記:

この手のカメラはいま絶滅してしまったが、その血脈はたぶんアクションカムになるのだろう。モニターを同時販売して撮影時に分離させたり、防水加工を施したり…。DSC-RX0などはまさに「この小さいやつにモニターがあったらよかった」という要求にそのまま答えた、レンズ・スタイルカメラの血筋のような感じがする。