2018/10

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カメラレンズにはあれやこれや名前がついている。テッサーとか、ズミクロンとか…。そしてウルトロン。Ultronというレンズ銘はもともとフォクトレンダー社が使っているものだ。しかしフォクトレンダーがCarl Zeissに買収されたあたりで事情が変わり、ほんの一時期だけ、Zeissの名を冠するUltronが作られている。そのあたりのすったもんだはグーグル検索してもらえば他の詳しい方が解説してくださっているので省略する。

 

Carl Zeiss Ultron 50/F1.8はスペックを見る限りごく平凡な標準レンズだ。前玉が凹形状をしているという点を除けば。この摩訶不思議な設計はバックフォーカスを確保して、一眼レフでもUltronを使えるようにするための突貫工事の結果のようである。もともとUltronはレンジファインダー用のレンズだ。日本メーカーのレフ機一大攻勢によってフォクトレンダーが追いつめられたため、とにかくZeissもさっさと一眼レフに対応しなければという焦りがそうさせたのだろう。レンズを再設計する時間がない。じゃあ前玉をへこませろ、という魔改造的発想。

 

 

 

この凹みウルトロンは中央の解像度が素晴らしく高く、いっぽうで周辺部はかなり柔らかい描写になる。M42のZeiss UltronをsdQで使用したが、テレセン性がないためかあるいは個体差のせいか、周辺の色ノイズがすごかった。しかしその一見して荒れた描写と、ピント面の素晴らしい画の落差が、魔法のように被写体を際立たせることに繋がっていると思う。

 

このレンズはズミクロンとまではいかないが結構人気がある。そういうのを集めて(2000円くらいのSMC Takumar 55mm f1.8とかマウントアダプター買ったらついてきたミノルタのレンズとかその他もろもろの標準レンズ)描写を比べてみたことがある。こういうことをやりたい人は結構いると思う。少々お金もかかるし、この沼に手を突っ込む前に僕の意見を参考にしていただければ――結論、標準レンズに駄作なし。

 

 


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