2018/02

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オールドレンズというのはフィルム時代に設計されたレンズで、これを現代のミラーレス一眼につけて遊ぶのが一部の人の界隈で流行っている。オートフォーカスも使えないし、絞りも自分で変えなければいけないが、それでもレンズを操る感覚が楽しいといわれ、ミラーレスカメラのソニーαシリーズや富士フイルムXシリーズの人気を押し上げる一因になった。これが流行った理由はいろいろあるだろうが、最大の要因は単にレンズの価格がめちゃくちゃ安いことだろう。

 

記事冒頭に挙げた2個のレンズは明るさも焦点距離もほとんど変わらないのに40倍近い価格差がある。左がSonnar、右がロッコールだ。今回使うのはミノルタのオールドレンズだが、これ以外にもニッコールとかタクマーの単焦点標準レンズは、現代のズームレンズより画質が高く、明るくて桁違いに安いので人気である。状態がそこそこ良くても2000円とか4000円くらいで手に入る。プレミアがついているズミクロンとか凹みウルトロンですら現代のレンズに比べればまだまだ安い。

 

もちろん設計が古いぶん現代のレンズとは差はある…コーティングが古かったり、周辺部の結像が緩かったり…。しかし絞り込むことである程度はそれは解消されるといわれている。が、具体的にどの程度差があるのかはあんまり検証されていない。たぶん、する意味がないからだろう。オールドレンズを使うのはそのユルさを味として楽しむためなのだ。大人の粋な遊びなのだ。画質がどうこうとかフリンジがどうこう言うのは野暮な話なのである。

 

しかし世の中には野暮な人間がいるものだ。しかも性格に難がある上にブログをやっている人もいるのだ。性格が悪いために

 ・最も画質に問題が起きやすい周辺部で

 ・フリンジが出やすい明度差が大きい雪の乗った

 ・描写がガサガサになりやすい葉の上にピントをあわせ

最新設計のSonnar T* FE 55mm F1.8 ZAとロッコール50mmF1.7を容赦なく比較してしまうのだ。ボディはα7RでISO100固定。それにしても、48年前の安レンズに対して残酷な仕打ちである。当時の価格は2万円で、現在に換算すると4万円相当だろうか。すでに安レンズだったわけである。どうやったって勝ち目がない。本当はスペックがまったく同じであるSMCタクマー55mmF1.8と比較すべきなのだろうが、実はレンズの焦点距離というのは公称より何パーセントかのズレがあるし、まあこの辺はあまり厳密にする意味はないようだ。

 

 

まずSonnarの開放を見てみる。厳しく見ると雪の上にほんの少しフリンジが乗っているが、フルサイズ対応レンズの周辺の開放とは思えないほどよく解像している。

 

 

F8まで絞り込むとフリンジも消えロープの質感までわかるようになる。3600万画素のピクセル単位でもまだまだ余裕を感じさせる。

 

さて、今回はどこまで絞り込めばオールドレンズが現代のレンズに追い付くかの検証なので、55mmZAの開放とロッコールレンズを絞りを変えながら比較していくことにする。

 


ロッコール50mmの開放。はっきりいってちょっとひどい。雪の上に盛大にフリンジが乗っているしそもそも結像してない。こうしてはっきり見せられるといくらオールド単焦点レンズとはいえびっくりする。ピントがあってないんじゃないかと思って確認したがちゃんとあってる。フィルム時代ではこれでも許されたのである。いちおうロッコールの名誉のために言っておくが、中央の描写はずっとマシで、開放値はF1.7だからほんのちょっと明るいし、さらにいえば彼はマウントアダプターと一緒に4000円で売られていた48年前の発売当時ですらSonnarより安い老戦士である。どうやったって無理がある。むしろ写ってるのが葉だとわかるだけエライ。

 



2.8まで絞り込んだ。ロッコールの絞りリングはクリックがF1.7の次はF2.8なのだ。解像感はちょっとあがったがフリンジが目立つようになりかえって汚くなっている気がする。まだまだSonnarには遠く及ばない。

 

 


F4なので2段以上絞り込んでいるがまだまだ追い付いていない。フリンジは消えたので実用はこのあたりからだろう。

 

 

ここまでくると急激に改善してほとんど同等レベルになっている。雪の軌跡からシャッタースピードの違いを掴んでもらいたい。厳しく見ればまだSonnarのほうが綺麗に写っているが、焦点距離が5mm違うので実質同等とみても良いだろう。

 

 


F8まで絞ると画質はさらに向上する。ダブルガウスレンズの素晴らしいところは絞れば絞るほど急激に性能があがっていくところだ。まさにレンズ構成の主人公である。戦前から現代まで使われ続けているレンズ構成だけのことはある。フリンジまで考慮すると描写はSonnarの開放を追い抜いたといっていいと思う。

 

 


F8で比較する。まあ、Sonnarのほうが上だがロッコールだって負けていない。Sony FE 50mm F1.8とかCANON EF50mm F1.8も同様のダブルガウスであり、設計は大差ないので、似たような感じの描写になっていくと思われる。実際シャドーの落ち方などはよく似ていた。もっとも、コーティングが違うからロッコールとFE 50mm F1.8では逆光耐性はぜんぜん違うだろうが。

 

結論、F5.6くらいまで絞ればオールドレンズでも、高画素機で実用画質になる。老戦士侮るべからず。


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