2018/06

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・α7のレンズシステムと、その重さについて

 

前回、前々回と「いかに軽いα7のシステムを組むか」という活動に腐心していた話をしたので、もう少しだけレンズの重さについて。いま自分が使っている単焦点3本+α7R2の総重量は、582+225+281+472で1560gだ。自分にとってズームレンズは「使っていない焦点域は捨てているのと同じ」という存在なので、あまり使用頻度は高くない。便利なのは確かなのだけど、「今日はこの焦点域は使わないから、24-70のうち24-40だけ家に置いてくる」などというわけにはいかないので、結局は単焦点と足を組み合わせることにした。これも良かれ悪しかれで、山岳地帯でのネイチャーフォトなどでは、寄ったり引いたりするような足場がないので、ズームレンズを使わなければいけないこともあるだろう。

 

それに関係して、以下のような記事を見つけた。

 

ミラーレス一眼でFUJIFILM X-H1を選んだ理由。ネイチャーフォトでのベストセレクト

 

記事の内容は、X-H1がネイチャーフォトにおいてα7系よりも有利であるというもので、おおむね僕もこれには同じ思いだ。ちょっと廃村に入るだけならともかく、山岳地帯でα7を振り回すのは自分でもやりたくない。フジかオリンパスのフラッグシップでないとさすがに怖いと思う。で、面白いと思ったのは、レンズシステムの重量に関する以下の部分だ。

 

引用


ソニーのαシステムは軽量ではない

 

(中略)

 

広角から望遠までをズームレンズで揃えると重量はこのようになります。

SONY FUJIFILM
ボディ α7 572g X-H1 623g
広角レンズ FE 12-24mm F4 G 565g XF10-24mmF4 R OIS 410g
望遠レンズ FE 24-70mm F2.8 GM 886g XF16-55mmF2.8 R LM WR 665g
望遠レンズ FE 70-200mm F2.8 GM 1480g XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR 995g
3505g 2695g

ボディとレンズ3本で800gくらいX-H1のシステムの方が軽量です。フルサイズのセンサーに合わせたレンズなので当然です。


引用ここまで

 

『ソニーのαシステムは軽量ではない』のか? 比較を見て、目ざといというか神経症的な方は、ピンと来たかもしれない。というのも、フルサイズとAPS-Cでは被写界深度に1段分(厳密には4/3段分)の違いがあり、高感度耐性にもおおよそ1段分の性能差がある。したがって、同じ絵を作る機材として比べるなら、α7鵑F2.8通しではなくF4通しのレンズが妥当なのではないか、ということだ。

 

※は同等のレンズがなかったもの。

ボディ α7 572g X-H1 623g
広角 FE 12-24mm F4 G 565g※ XF10-24mmF4 410g
標準 FE 24-70mm F4 ZA OSS 426g XF16-55mmF2.8 655g
望遠 FE 70-200mm F4 G OSS 840g XF50-140mmF2.8 995g
合計 2403g 2683g

 

実際に比較してみると、このように重量にほとんど差はない。といっても、このような比較は言葉遊びのようなもので、実際にはF値が違えばシャッタースピードも変わるし、機材のランクが変われば硝材も変わるわけで、数値に異議をはさみたいわけではない。言いたいのはもっと別のことだ。もう少し視点を変えて、今度はAPS-Cとマイクロフォーサーズを比較してみる。こちらもほぼ1段分の差があるので、フジの機材をF4通し(…はないので、XFの廉価ズーム)に、マイクロフォーサーズをF2.8通しにした。

 

ボディ X-H1 623g GH5 645g E-M1M 498g
広角 XF10-24mmF4 410g 7-14mm/F4.0 300g※ ED 7-14mm F2.8 PRO 534g
標準 XF18-55mmF2.8-4 310g 12-35mm/F2.8 II 305g ED 12-40mm F2.8 PRO 382g
望遠 XF55-200mmF3.5-4.8 580g 35-100mm/F2.8 II  360g ED 40-150mm F2.8 PRO 760g※
合計 1923g 1610g 2174g

 

明るさも焦点距離も厳密にはそろっていないので、参考程度に見てもらいたいが、やはり思ったほど差はないように見受けられる(しかし、パナソニックのレンズは素晴らしい。抜きんでた軽さだ)。

 

ここで言いたいのは、光学は物理学であって、基本的に覆らないということだ。一般的に言われるように、センサーサイズが小さければイメージサークルも小さくできるので、レンズも小さくなるように思える。それは半分は当たっていて、半分はそうでもない。実際には被写界深度の差や、センサーの低感度・高感度の特性の違いで、より大きなセンサーの絵に近しい絵を作ろうと考えると、口径を大きくしなければならず、そうなれば周辺画質が荒れる。開放からまともに使えるようにするためには、大量の補正レンズが必要になり、またイメージサークルを大きくせねばならず、結局レンズは大きくなる。

 

25mm F1.2 PROを思い出してほしい。マイクロフォーサーズのセンサーをカバーするレンズだが、410gある。FE 55mm F1.8 ZAは281gだ。メーカーを変えたり、センサーを変えたりしても、この宇宙で同一の物理学に縛られている以上は「高画質なレンズは大きく重い」という法則からは逃れられない。逆にいうと、システムを軽くしようと思えば、いくらでも軽くできるし、また重くもできる。メーカーがそういうレンズを作るか、作らないか。結局のところ、システムが拡充されていけば、どのマウントを選んでも、最後に行きつくところは、自分が「どこまでで妥協できるか」という話になる。

 

 

・レンズシステムの行きつくところ

 

今後、ミラーレスが完全に市場の中心になることは明々白々だ。レンズはどうなるのか? 超広角レンズはミラーレスのフランジバックの恩恵を受けて小さくなるだろうが、他のレンズは基本的に、光学系が大きく変わることはないと思われる。というか、硝材が根本的に変わらない以上は、変化はない(と、いうようなことをSIGMAのCEOが言っていた…)フルサイズでも、APS-Cでも、マイクロフォーサーズでも、明るいレンズは依然としてでかいままであるし、暗いレンズは小さい。

 

ただ、光学系の縛りから外れた要素もある。それはハイレゾ撮影だ。既にPENTAX K-1m2には手持ちハイレゾ(名前はリアレゾだが)が組み込まれている。ハイレゾ・リアレゾは写真を複数枚撮影し、それを組み合わせることで高い解像感を得る技術だが、G9では約8000万画素相当の高解像撮影モードとしても使われている。要するに、言いたいのは「重いズームレンズをいくつも持ち歩かなくても、単焦点で超高画素撮影してトリミングすりゃいいんじゃないか」ということだ。

 

今でもソニー機には全画素超解像ズームという機能があるが、これを突き詰めていけば、それほど無理な光学系を用意しなくとも、解像度の高いレンズさえあれば、2倍、3倍くらいのズーム域でしゃんとした画は取れるんじゃないかと思う。横着者の理想を言えば、超広角レンズが1本あれば、百億画素くらいで撮影して、あとは無限にデジタルズームしてそれで済むのが一番いい。さすがにこれは無理な話だろうけど、将来的には近い姿になるんじゃないかなとは思う。まずはオリンパスが手持ちハイレゾ、次にフジ、ソニーと来るように思う。


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